裁判所が親権者を判断する場合は、「夫婦のどちらかが親権を持てば、子の利益や福祉が尊重されるか」という観点を重視します。例えば、子に対する愛情の度合いや、年齢、心身の健康状態、時間的な余裕、資産・収入などの経済力、実家の援助、住宅事情、居住地域、学校関係など、夫婦や子のあらゆる事情が考慮されます。今回のご相談の場合、お子さんが０歳児とありますが、子どもがまだ乳幼児の場合、実務上、母親が親権者になることが「子の福祉にかなう」と判断される傾向が強かったりもします。ただし、どのような事情が重視されるかは、具体的な事情によって異なりますので、まずは一度弁護士にご相談されることをお勧めします。

夫婦の合意による離婚であれば、離婚届に必要事項を記入して提出するだけで大丈夫です。ちなみに、20歳未満の子どもがいる場合は、離婚届の中の親権の欄に記入が必要です。尚、離婚によって元の戸籍を離れた方の親が親権者になっても、子どもの戸籍は変わりません。また、妹さんの養育費については、公正証書を作成しておいたり、調停できちんと話し合っておくなど、離婚届提出前に決めておくことが望ましいです。事前に文書を作成しておくことをお勧めします。

夫と離婚したいのですが、なかなか受け入れてもらえません。弁護士への法律相談なども考えているので、費用の目安を教えてください。

現在では弁護士費用が自由化されているため、料金は事務所ごとに定められていますが、日本弁護士連合会が公開しているアンケート結果によると、離婚調停の依頼時の着手金や報酬金の相場は、それぞれ20万円〜30万円程度。また初回の相談時には、30分5,000円という料金が目安になるかと思います（仙台弁護士会で実施する法律相談もこの料金です）。ただし当事者間の争いの有無や難易度の違いなどによって金額も異なってきますし、また一定の収入以下の場合には、法テラスから弁護士費用の立替払いを無利子で受けることも可能です。このように状況によって支援の内容や費用が変わりますので、一度、仙台弁護士会の法律相談を受けてみてはいかがでしょうか。具体的な状況をご説明の上で、担当弁護士に費用の目安を聞いてみるといいでしょう。

「2年以上働かない夫との離婚を考えているのですが、離婚後も大学生の娘の学費は払ってもらえるでしょうか。また、これまで生活費が足りずに借金をしたので、それも請求したいです。」

離婚するにあたって、夫婦は相手方に財産分与を求めることができます。これはプラスの財産だけでなく、今回の借金のようなマイナスの財産(負債)についても取り決めが可能なので、夫に借金を負担してもらえる場合もあります。また娘さんの学費については、相手方から養育費を受け取り、これを学費の支払いにあてることが考えられます。ただし養育費は子どもが成人するまでの期間に限って支払われる場合が多いので、大学生ではあまり期待できないかと思います。
　以上のように、離婚にまつわる財産分与と養育費の問題は、状況によって請求の可否や金額が異なりますので、弁護士への相談をおすすめします。

　離婚の際に、常に夫が妻に対して慰謝料を支払わなければならないというわけではありません。離婚の際の慰謝料は、婚姻関係を破綻させた原因をつくった者に支払義務が認められるものであり、例えば妻の浮気によって離婚に至ったというような場合は、妻が夫に対して慰謝料を支払う義務があることになります。
　このように慰謝料については、各事案によって考え方が異なりますので、詳しくは弁護士に御相談下さい。