裁判所から届いた書類にも書いてあると思いますが、あなたが「支払督促」の送達を受けてから２週間以内に督促異議の申し立てをしないと、敗訴判決が出たのと同じ効果が生じる危険があります。異議の申し立て方法も書類に書いてありますので、早急に行ってください。

「親戚に80万円貸したところ、5万円しか返ってきません。とくに借用書は残していないのですが、全額返してもらえる良い方法はないでしょうか。」

返還を求める金額が比較的少額ですので、あまり費用をかけずに解決したいところです。このような場合、まずは弁護士に内容証明郵便で督促してもらうのがよいのではないでしょうか。弁護士名の入った督促状は相手方に与える心理的な影響が大きいため、債権回収が実現できることも少なくありません。また弁護士費用も比較的低額となっています。
　以上の手段でも債権回収ができない場合には、支払督促という手段があります。これは裁判所を通じて支払いを求める手続きですが、書類審査のみで審理が行われ、相手方から異議がでなければ、一般の訴訟よりも簡単・迅速に解決が得られます。

「震災で亡くなった父宛に、クレジット会社から請求書が何通か届いています。これは私や母が払わなければなりませんか？ちなみに家は借家、父には財産もないようです。」

お父さんが死亡した場合は、相続人に債務が引き継がれます。しかしその場合でも、「相続放棄」と「限定承認」という方法で、債務を引き継がないようにすることができます。どちらも家庭裁判所に申し立てをするものですが、相続放棄の場合はプラスの財産があっても一切相続しないことになります。一方、限定承認は、プラスの財産の範囲内で債務も相続するという方法。いずれの方法も、死亡がわかった時から3カ月以内の申し立てが必要です。

　原則として、自分以外の人が借りたお金を返す義務はありません。自分の親や夫（妻）など、家族が借りたお金でも同じです。ただし、あなたが親や夫の保証人又は連帯保証人になっている場合は、保証契約の効力としてあなたにも返済義務があります。ですから、あなたが、お父さんや御主人の保証人又は連帯保証人になっていない限り、代って借金を返す必要はありません。
　ただし、人が亡くなった場合は、亡くなった方の財産について「相続」が発生し、借金もマイナスの財産として相続の対象になります。お父さんや御主人にもしものことがあった場合に、相続放棄などの手続をとらない時は、相続人として、あなたに返済の責任が生じるでしょう。
　いずれにしても、不安な点があれば、一度弁護士に相談してみてください。仙台弁護士会法律相談センターでは、個人の多重債務について、初回無料で法律相談を実施しています。

保証人は、主債務者が約束どおりの返済を行わない時に、主債務者の代わりに支払いを行わなければならない責任を負っています。すなわち、あなたが知人の保証人になった場合、知人が借金を返済できなくなれば、知人の代わりにあなたが借金をすべて返済することになります。このように保証人には重い責任がともないますので、たとえあなたに「絶対に迷惑をかけない」と言っていたとしても、安易に引き受けるべきではありません。保証人になっても本当にいいのかどうか、慎重に考えるべきでしょう。
保証人に関することでご不明な点があれば、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。また、保証人に関するトラブルが発生してしまった場合には、一人で悩みを抱えずに早めに弁護士へ相談することをおすすめします。